本格歴史拳闘アクション『拳奴死闘伝セスタス』

今回紹介するのは、古代ローマを舞台に闘技場で戦う拳奴の少年とライバルたちの死闘を描いた漫画『拳奴死闘伝セスタス』です。

拳奴死闘伝セスタス 1 (ジェッツコミックス)
 

前作の「拳闘暗黒伝セスタス」から続く長編格闘漫画で、過酷な環境で戦いを繰り広げる主人公セスタスとライバルたちの生き様を描いた作品です。

 

前作から培われてきた作画は肉体の表現が素晴らしく、格闘シーンでの躍動感と精密さを兼ね備えた表現力は読者に間近で観戦しているような迫力を与えてくれます。

格闘シーンにおいて、あまり心理描写を描きすぎると逆にスピード感がなくなって迫力がなくなる場合がありますが、その表現のバランスがとてもよく戦闘時の駆け引きも楽しむことができます。

 

作画だけではなく、主人公のセスタスの成長していく姿や登場人物たちの過酷な運命に己の拳一つで抗っていく様、若き皇帝ネロの孤独や段々と歪んでいく様などのストーリー展開も見どころ、単なる格闘漫画としてだけではない古代ローマの歴史や文化、時代背景も感じられる作品になっています。

 

背景の書き込みもすごく前述した古代ローマの文化を忠実に表現されており、一目見ればその世界観に引き込まれること間違いなしです。