本格女子格闘技漫画『鉄風』
今回紹介するのは、女子高生が本気で戦う熱血格闘技漫画『鉄風』です。
持ち前の才能でどんなスポーツもすぐに人並み以上にこなせてしまう主人公は日々退屈していた。
そんな主人公が出会ったのは総合格闘技バカでいつも楽しそうな同級生。
充実している人間が許せない主人公はその出会いをキッカケに総合格闘技の道へと踏み入れていく・・・
現実を逸脱した力や技があるわけではなく純粋な格闘技術や駆け引きを生かして戦う少女たちがとても魅力的で、読めば読むほど格闘技の魅力にハマっていく作品になっています。
主人公は熱血が大嫌いなクールキャラなので、最初の印象はむしろライバルキャラ。
序盤はどちらかというと同級生の方が主人公になりそうなキャラクターですが、存外この同級生がイカレてる。「ハンター×ハンター」のゴンのような狂気的な純粋さで対戦相手の心を折っていくレベルです。
それに引き換え、主人公は才能とは裏腹に実はトラウマを抱えた精神的にか弱い女の子。
性格も外見も戦闘スタイルも真逆な二人がリングの上で戦うまでを描く今作は、格闘技漫画好きには必見です。
スマートでスタイリッシュな物の怪バトル『もののがたり』
今回紹介するのは、付喪神と戦う青年の葛藤と成長を描く漫画『もののがたり』です。
付喪神に家族を殺され付喪神を恨む退治屋の青年と付喪神と共に暮らす少女が一つ屋根の下で暮らすことになり、付喪神に対する気持ちが揺れ動く様を描いた物語です。
いっけん躍動感を出すには不向きそうな作画ながら、戦闘シーンを繊細で無駄なく滑らかに描かれており、少年誌に在りがちなド派手な戦闘シーンとは一線を画す漫画になっています。
取っ付き易い癖のない作画で、ストーリーもあまり複雑ではなく飲み込みやすくキャラクターも魅力的なため、女性にもオススメな作品です。
ちょうど盛り上がる展開に差し掛かっている作品なのでこれから読み始めても中途半端になることなく切りのいい展開まで読むことができます。
本格歴史拳闘アクション『拳奴死闘伝セスタス』
今回紹介するのは、古代ローマを舞台に闘技場で戦う拳奴の少年とライバルたちの死闘を描いた漫画『拳奴死闘伝セスタス』です。
前作の「拳闘暗黒伝セスタス」から続く長編格闘漫画で、過酷な環境で戦いを繰り広げる主人公セスタスとライバルたちの生き様を描いた作品です。
前作から培われてきた作画は肉体の表現が素晴らしく、格闘シーンでの躍動感と精密さを兼ね備えた表現力は読者に間近で観戦しているような迫力を与えてくれます。
格闘シーンにおいて、あまり心理描写を描きすぎると逆にスピード感がなくなって迫力がなくなる場合がありますが、その表現のバランスがとてもよく戦闘時の駆け引きも楽しむことができます。
作画だけではなく、主人公のセスタスの成長していく姿や登場人物たちの過酷な運命に己の拳一つで抗っていく様、若き皇帝ネロの孤独や段々と歪んでいく様などのストーリー展開も見どころ、単なる格闘漫画としてだけではない古代ローマの歴史や文化、時代背景も感じられる作品になっています。
背景の書き込みもすごく前述した古代ローマの文化を忠実に表現されており、一目見ればその世界観に引き込まれること間違いなしです。
エロくてグロくて癖のある『職業・殺し屋』
今回紹介するのは、エロくてグロくて昭和を感じる作画の漫画『職業・殺し屋』です。
普段は冴えないサラリーマン。
その正体は逆オークションで安く殺人依頼を受け、快楽のために人を殺す卑しい「殺し屋」。
エログロ系漫画の定番とはいえ、必ずと言っていいほど女性がひどい目にあってしまうのでそこが無理な人にはお勧めできませんが、むせ返るようなエロさと肉の生々しさがあり、現在では殆ど見ない昭和チックな懐かしさのある作画がより雰囲気を引き立てています。
登場人物にまともな生い立ちの人物がほぼ皆無で狂った世界観なところも魅力の一つ。
そして懲悪ものなのでエログロ系な割に読んだ後にすっきりもできます。
主人公がほぼヒソカなので、「パクリじゃん！」と思った方はオマージュだと思って受け入れてください。
そういう部分を気にしないでちゃんと読むと、本当にしっかりと描かれている漫画になっています。
世界のどこかで起こっていそうなリアルな漫画『マージナル・オペレーション』
今回紹介するのは、ふとしたきっかけで戦場に身を置くことになった男性が少年兵たちと共に未来を掴むために奮闘するミリタリーアクション漫画『マージナル・オペレーション』です。
会社が倒産して無職になった男性が軽い気持ちで入社した民間軍事企業、訓練だと思っていた戦闘指揮のシミュレーションが実際の戦場を動かしていたことに気づき、無責任に人を殺していたことに苦悩するところからこの物語は始まります。
同名の人気小説がコミカライズされたこの作品ですが、読めば読むほど実際に世界のどこかで起きているのではないかと感じさせられるリアルな設定や展開が堪りません。
序盤から主人公の心を抉る展開がどんどん起きて読んでいるだけでつらい気持ちになりますが、それでもあきらめない主人公の心の強さに勇気づけられどんどん世界観に引き込まれていきます。
作画も癖がなく申し分ない画力で描かれているので、作画が受け付けないという読者はそんなに居ないのではないかと思います。
主人公の心理描写や少年兵の戦場と普段とのギャップに紛争の怖さや少年兵という存在についてとても考えさせられ、簡単に人を殺せる兵器の恐ろしさを実感できるとても考えさせられる作品になっています。
キャンプがしたくなって出会いたくなる『ふたりソロキャンプ』
今回紹介するのは、読むと無性にキャンプに行きたくなる漫画『ふたりソロキャンプ』です。
アラサーで独り身の偏屈ソロキャンパーがビギナーな二十歳の女の子と偶然出会い、ソロキャンプの楽しみ方を教えていく物語。
最近流行りのキャンプを題材とした漫画で、作中に出てくるキャンプ知識も本格的でとても参考になる作品です。
もちろん画力が高くて、偏屈なおじさんも可愛い女子大生も現実に居そうな感じだし、キャンプ用品や景色、料理もリアルに描かれています。
それに、本格的なキャンプ漫画にもかかわらずしっかりと人間関係も描かれており、キャンプに興味がない人でも絵とストーリーだけで十分楽しめるクオリティです。
偏屈おじさんの過去や女子大生との淡い恋模様、そして作中に出てくる美味しそうなキャンプ料理の数々、実際に使ってみたくなるキャンプ用品。
どれか一つでも興味を持つ部分があれば思い切って読んでみて欲しい作品です。
どこかで見たことのある絵柄だなと思ったら「華麗なる食卓」という料理漫画の作者のお弟子さんという情報が。
どおりで女の子が可愛くて料理が美味しそうなわけだ。
「華麗なる食卓」もおすすめですのでよろしければ目を通してみてください。
人気の異世界転生『転生したらスライムだった件』
今回紹介するのは、今流行りの異世界転生もので一番人気と言っても過言ではない『転生したらスライムだった件』です。
「小説家になろう」という小説投稿サイトから生まれた主人公が異世界転生してスライムとして国を造るという壮大な物語の漫画化作品。
「なろう系」と言われるすごい能力や才能を持った主人公が圧倒的な力で世界に影響を与えていく今までに無かった異世界ファンタジー作品で、流行りすぎて今では王道になりつつあるジャンルの代表的な作品です。
もちろん小説やアニメも間違いなく面白いのですが、個人的には漫画がお勧めです。
小説のイラストで描かれていた雰囲気を守りつつ、漫画として見やすく変更されたキャラクターデザインでどんな世代や嗜好の人でも取っ付き易く描かれています。
「なろう系」の作品には不遇な出自からわがままに振る舞う主人公や力をつけるまでつらい思いをして復讐心で動くような主人公も多い中、可愛らしい主人公が仲間たちと協力しながら生き、仲間たちを強大な力でピンチから救ったりする場面も多い作品なので、「なろう系」初心者の入門漫画としてちょうどいい作品になっていると思います。
